第6回 「社交」ってなんだろう
6/27(土)13:00〜15:00(話したりない人はその後も話せます)
指定図書:『人と食事するのが怖い!会食恐怖症ってなに??』(朝来おかゆ, 合同出版, 2020)と『かんもくの声』(入江紗代, 学苑社, 2020)
場所:未定
※場面緘黙症、会食恐怖症、社交不安症当事者の方はzoomでの参加も可能です。
定員:先着6名
申込み先:yunitetsu@gmail.com
こんにちは、主催者の八木です。
前回から約一年ぶりになります第6回のユニ哲は、「社交」について考えます。
題材にする本は、朝来おかゆさんの『人と食事するのが怖い!会食恐怖症ってなに??』(合同出版)と入江紗代さんの『かんもくの声』(学苑社)です。
おかゆさんは会食恐怖症について、入江さんは場面緘黙について、それぞれ経験者としての体験を綴られています。
それが、ぼくの吃音の経験とも似ているところがあるなぁと思いました。以下、畏れ多くも本を出された方々と並列して、自分の体験を書きます。
おかゆさんも入江さんもぼくも、それぞれの障害や病気が一因となって、高校まではとても内向的な日々を送るのですが、大学に入って心機一転がんばろうとします。
ぼくやおかゆさんは、大学に入るとともに自分の障害をカミングアウトします。それはとても怖いことでしたが、やってみると意外にみな受けいれてくれたりします。意外とうまくいったな、人間関係このままうまくいくかな…?とおもっていると、しばらくして行きづまります。
また、入江さんは大学2回生のときに躁になり、かなりクレイジーなことをたくさんされます。ぼく自身も実は浪人~大学1回生のころ、抑圧的な中高から解放されたことから軽い躁状態になって、いろんな人に話しかけました。この頃は吃音も軽くなってました。でもその後に、入江さんほどではないですが、揺り戻しがきます。
というふうに、違う症状でも、似た体験をしているようなのです。
そしてそこに必ずかかわってくるのが、「社交」つまり人とのかかわりです。
おかゆさんも入江さんもぼくも、社交不安障害だったのではないかと思います。人とのかかわりと、それに対する不安を語り合えたらと思います。
ちなみにぼくは今でも人とかかわるの怖いです。怖がりすぎて防衛しすぎて、本来仲良くなれる人とも仲良くなれなかったりしてるんかな…それもったいないな…とよく思います。でも、世の中やっぱり怖い人もいるし、しっかり自分を守るの大事やんなとも思います。人と会うのは、ちょっと怖いくらいがちょうどいいのかなと思ってます。
本田です。
お久しぶりです。約1年ぶりですね笑
今回は2冊の本(『人と食事するのが怖い! 会食恐怖症ってなに??』(朝来おかゆ著)、『かんもくの声』(入江紗代著))を用いて、社交について考える会とします。
なぜ、会食恐怖症と場面緘黙症という、テーマの異なるこの2冊を選んだか。この2冊にはいろんな共通点があると感じたからです。
例えばおかゆさんも入江さんも、「内と外」での自分の振る舞いのギャップについて悩んでいました。家の中ではある程度自分を出すことができるが、外に出ると過剰なまでに自分が引っ込んでしまう。身内と呼べる人には依存的に接してしまうが、いわゆる"他者"に対しては恐れのような感情を抱いてしまう。そんな自分の解離的な側面に悩んでいました。また、集団の輪に馴染めないことも大きな悩みとして挙げられていました。
また、「自己否定」がもとで自分を出せなくなっていることも共通点のように感じました。自尊心のなさ、自己表現が上手くできないというコンプレックスが、「他者からの否定への恐れ」に繋がり、そして、それがもとで他者と繋がれないことが、更なる自己否定を産む、という悪循環が起こっているのではないかと思います。会食恐怖症と場面緘黙症は、表面的な症状は異なっていますが、「周りと同じことができない」ことが、自己否定を強化している、という意味では共通しているのかな、と思いました。
そして、終盤に「自分を生きること」をこれからの展望として挙げていたことも共通しています。おかゆさんは漫画を書くことから始め、「こうあるべき」に囚われずにやりたいことをやっていきたいと描いています。また、入江さんは、当事者活動において、自分をコンテンツ化することで、自分なりの距離感で他者と繋がっています。二人とも、「自分がない」ことに悩んでいたものの、むしろ自分があるはずなのに、他者との関わりでそれが抑圧されていて、「自分」に気付けなかったということなのかなと思います。
両書に書かれていたことは、僕自身にも通ずる部分がありました。僕も、吃音とは別のところで、自分を出せない苦しみを昔からずっと抱えています。それは、自分の話すことは面白くないとか、価値がないとか、自己否定的な考えを持ってしまうことが大きく関係しています。また周りとずれているのではないか、という感覚も大きいです。(というか、多分本当にずれているんだな、と思ってるから余計に。)
ただ、一つ思うのが、他者の前で自分を出せないことについては、単に自己否定だけが原因ではないのかなということです。というか、そもそも自己否定感がどこから出てくるのか、ということをこの会で話し合えたらいいなと思っています。
そこでヒントとなるのが、「社交」なのではないかと思います。社交にはいろんな暗黙のルールがあり、ルールがある以上、当然、そこから外れる人が出てきてしまいます。社交の場において、人は行動を監視され、評価の対象となります。評価の基準を内面化した人は、それを自分にも当てはめてしまいます。つまりは、自己否定というのも、結果的には、他者(=社会)との関わりの中で生まれてくる側面があるのではないか、ということです。
真に「自分を生きる」ことをしようとすると、どこかで他者とは外れてくる部分が出てきます。各人がこの、他者との違い(=ズレててもいいやんってこと)を認めることが、社会的な課題となってくるのではないかと思います。入江さんの言葉から引用させていただくなら、「社会規範や今の社会のあり方を少しズラす」ことを考えていくことが大事なのかな、と。
当日よろしくお願いします。
本はどちらかを一部分だけでもいいので読んできてください。当日は『人と食事するのが怖い!』著者の朝来おかゆさんもいらっしゃいます。本を持参するとサインしてくれるかもしれません。
参加費は無料ですが、運営へのご協力として、お気持ちで結構なのでカンパをいただけますと幸いです。
当日、風邪の症状がある方は申し訳ございませんが、ご参加をご遠慮願います。