ユニバーサル哲学カフェ

障害をメインに語り合います

第5回 マイノリティであることと恋愛・性

第5回、ユニバーサル哲学カフェについてご案内します。

今回のテーマは「マイノリティであることと恋愛・性」です。

 

皆様こんにちは、八木智大です。

かつて私は恋愛について悩んでいました。好きな人、といっていいと思うのですが、その人に対し、吃音があってコミュニケーションがうまくいかない、しかしどこかに光るものがある(恥ずかしながら本気でそう思っていました/います)自分を、あの人であれば理解してくれるはずだと幻想の役割を押しつけ、その押しつけに相手が嫌気をさし親しく話すことができなくなり、しかしその幻想にすがるしかない私はしつこく追いすがり、ついぞ会うこともできなくなりました。

それから幾年か悩みましたが、自らのマイノリティー性に自覚的な人々と交わりはじめたことで、回復していきました。コミュニケーションができないという感覚は小さくなり、恋愛のようなものは起こるべくして起こるのだから、気にやまずともよいといまは思っています。

「あの人であれば理解してくれるはず」と、私が強く承認を求めたのは、同年代の女性の、見た目も美しくまたその他の面でも人から称賛されるような人でした。単に理解してもらうのなら、同性の友人に求めてもよかったのではないか、と思います。私の中に、美しく頭がよく品がある同年代の女性に承認されたいという思いがあったのですが、それは社会が作り出したよい恋人像とあまりにもよく一致するものです。私はその女性を通して、社会にも承認されたかったのかもしれません。

人は多くの面でマジョリティになろうとします。学歴、職業、容姿などがありますが、恋愛もまたその一要素になるでしょう。(異性の)恋人や結婚相手がいるということは、その人のマジョリティ性を強化する働きをしているように思います。他の要素との関連も見つつ、マジョリティ、マイノリティーとしての恋愛を考えたいと思います。

 

こんにちは、本田基博です。

人が人を好きになったり、また、身体的に交わりたいという欲を持ったりするということは、世の中においてはある程度自然なこととされていると思われます。

しかし、実際にはそのような感情の持ち方は多様です。異性に対して向ける人もいれば、同性に対して向ける人もいる。また、そもそも「性別」という概念に縛られたくないという人もいれば、恋愛感情や性欲を一切持たない人もいる。

加えて、それらの感情を持っていたとしても、それを満たしやすい人と満たしにくい人が存在しているようにも思います。恋愛市場という言葉が存在する通り、そこには強者と弱者が存在するわけです。その違いはどこから生まれてくるのでしょう?

また恋愛というと、結婚という言葉と結びつけて考える人も多いでしょう。そうなると、また考え方も変わってきます。自分や相手が育ってきた環境、金銭的な問題、家族との関係…いろんな要素が複雑に絡み合い、単なる恋愛とはまた異なった関係性になります。

では、その中でマイノリティと呼ばれる人々の性や恋愛の実態とはどのようなものなのでしょうか?

それを探っていくには、まず性や恋愛というものがそもそもどういうものなのかを探っていく必要があるのではないかと思います。


マイノリティと呼ばれる人々は様々な面で生きづらさを抱えていますが、その中の一つに人間関係の構築があります。

恋愛というのは、通常、一人対一人の間の強固な繋がり(ある意味では脆弱な繋がりなのかもしれませんが…)が想定されており、人間関係の中でも一種独特な関係です。一対一の関係だけに、その繋がりは尊いものとされている反面、その間には見えにくい抑圧というものが潜在しているかもしれません。

また、その割には概念としては非常に曖昧なものです。単なる性的欲求と恋愛感情はどう違うのか、友情と恋愛感情はどう違うのか、これらの曖昧さを今一度考え直してみてもいいのではないかと個人的には思います。

マイノリティと呼ばれる人々(当然、自分たちも含めて)にとって、このような人間関係を構築することがどのようなことなのか、明らかにしていきましょう。

 

【詳細情報】

日時:6/15(土)10時開場 10時~13時頃:哲学カフェ

       その後、14時半頃まで休憩。14:30~16:30映画鑑賞。

      (途中の入退室は自由です。)

場所:KOREAN BOOK CAFE ちぇっちゃり 鶴橋駅すぐ

(今回、在日コリアンの方々のスペースを使わせていただくことになりました。障害に限らず、広い範囲のマイノリティを考えたいです) 

会費:場所代としてひとり500円(昼食は外で食べます)

予約先:yunitetsu@gmail.com

 

参考図書(読んでこなくていいです)

・荒井裕樹『障害と文学』:脳性マヒ者の運動と彼らの作った同人誌について。恋愛による親からの自立が重要なテーマ。

 ・河合香織セックスボランティア』:障害者の性について。

他にもおもしろい本や論文、ブログなどがあれば教えてください。当日持ってきてくださるのも歓迎です。

障害と文学―「しののめ」から「青い芝の会」へ

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セックスボランティア (新潮文庫)

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